
ショルダープレスって苦手だからやってないんだよね。
肩トレといえばダンベルショルダープレスと言っても過言ではないほど、メジャーなトレーニング種目です。
でも実際にやってみると…
- 肩にうまく効かせられない
- 扱える重量がなかなか伸びない
- 首や僧帽筋ばかりが疲れてしまう
こんな悩みを抱えて、「ダンベルショルダープレスは苦手…」と感じている人も多いのではないでしょうか?
でも、それはあなたの肩の筋力が足りないからではありません。
ちょっとしたフォームの工夫や意識の変化で、ダンベルショルダープレスは三角筋(肩)だけにしっかり効かせられる種目に変わります。
この記事では、肩トレが苦手だった僕自身の失敗経験をもとにダンベルショルダープレスの正しいフォームやコツ・よくある間違いについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
- ダンベルショルダープレスのよくある間違い
- ダンベルショルダープレスで肩だけに効かせるコツ
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ダンベルショルダープレスのよくある間違い

ダンベルショルダープレスが上手く行かないのって何が原因なの?
ダンベルショルダープレスをやっていて、「なんとなく肩に効いていない気がする…」「他の部位ばかりが疲れてしまう…」と感じる場合、その原因の多くはフォームのどこかにミスがある可能性が高いです。
ここでは、かつて僕自身が陥っていた失敗をもとに、ダンベルショルダープレスでやってしまいがちな間違いを3つに絞って具体的に紹介します。

肩に負荷を乗せられていない
肩のトレーニングでは、三角筋にしっかり負荷をかけることが最も重要です。
しかし、ダンベルショルダープレスで肩にうまく刺激が入らない場合、ダンベルをただ上に持ち上げることが目的になってしまっている可能性があります。
そうなると本来効かせたい肩(三角筋)から負荷が逃げてしまい、別の部位ばかりが疲れる原因になります。
以下のようなフォームになっていないか、一度チェックしてみてください。
ダンベルを上げた際に負荷が抜けている
ダンベルショルダープレスで肘を完全に伸ばしきる「ロックアウト」状態になると、三角筋にかかっていた負荷が骨や関節に逃げてしまいます。
このままのフォームで繰り返すと、筋肉にテンションがかかっている時間(Time Under Tension)が短くなり、筋肥大の効率が下がるだけでなく、肘関節への負担も大きくなるリスクがあります。
対策としては、トップポジションでも肘を完全に伸ばしきらず、わずかに曲げた状態をキープすることが重要です。
フォームの目安としては肩の可動域を超えない範囲で動作を止める意識を持つとイメージしやすくなります。

トップポジションでも三角筋にテンションがかかっているのを感じられればOK!
傾いた軌道によって負荷が逃げている
ダンベルショルダープレスでは「ダンベルを持ち上げること」だけに意識が向くと、正しい軌道から外れてしまうことがあります。
特にありがちなのが、ダンベルを顔の内側(頭上の中心)に向かって斜めに持ち上げてしまうフォームです。
このような軌道ではダンベルの重さを支える主な筋肉が肩(三角筋)ではなく腕や僧帽筋に移ってしまい、その結果、肩に負荷が乗りにくくなるだけでなく、本来扱える重量よりも軽い重さしか扱えない状況になってしまいがちです。
正しいフォームとしては、ダンベルは肩の真上に向かって“垂直に”押し上げる軌道で上げるのが理想です。

重力の方向とダンベルの動きが一直線になることを意識!
肩ではなく胸で負荷を受けてしまっている
ダンベルショルダープレスは、三角筋(特に前部〜中部)をメインに鍛える種目ですが、フォームが少し崩れるだけで大胸筋に負荷が逃げてしまうことがあります。
特に、以下のようなフォームになっていないかチェックしてみましょう。
- 胸を張りすぎている(腰を大きく反らせている)
- 肩甲骨を寄せすぎている
- 肘の位置が体の真横に来ている
このようなフォームはベンチプレスでブリッジを作ったときのような体勢に近くなり、結果として三角筋よりも大胸筋が主に使われる状態になってしまいます。
対策としては、まずインクラインベンチの角度を80度前後に設定し、座面に深く腰をかけること。
そのうえで、胸を軽く張る程度にとどめ、腰を必要以上に反らさないように意識しましょう。

「肘の位置と胸の張り具合に注意するだけで、しっかり肩に負荷が乗りますよ!
重量が重すぎる or 軽すぎる
ダンベルショルダープレスを行う際、フォームや筋肉への意識と同じくらい重要なのが、適切な重量とレップ数の設定です。
いくら正しいフォームで動作を行っていても、重量設定を誤っていると三角筋への刺激が不十分になってしまっている場合があります。
以下のケースに当てはまっていないか、一度チェックしてみましょう。
重量が重すぎる場合
ショルダープレスは、サイドレイズなどのレイズ系種目に比べて比較的重い重量を扱える種目ですが、高重量にこだわりすぎるとフォームの崩れを招いてしまうことがあります。
以下のような状態に心当たりがある場合は注意が必要です。
- 反動を使って勢いで押し上げている
- 上体が後ろに倒れ、腰が大きく反っている
- 僧帽筋や広背筋など、三角筋よりも他の部位に効いてしまう

僧帽筋や広背筋に効いてしまう人は、重量設定を見直してみましょう!
さらに、フォームを崩した状態で無理に続けると、肩関節や腰への過剰な負担にもつながり、ケガのリスクが高くなります。
トレーニング効果を最大化するためにも、フォームを安定させられる重量に調整することが重要です。
重量が軽すぎる場合
逆に、軽すぎる重量で回数だけをこなしてしまうと、筋肉への負荷が弱すぎて十分な刺激を与えられないという問題があります。
特に、以下のようなサインがある場合は負荷不足の可能性が高いです。
- 正しいフォームを維持したまま20回以上行えてしまう
- 三角筋に明確な疲労感やパンプが感じられない
- セット後も肩が軽く感じる
このような場合は、扱う重量を段階的に増やしていきましょう。
目安としては、フォームを保ったまま10〜15回で限界を感じる重量に設定するのがオススメです。

セットごとに重量を変えるのもOK!
ダンベルショルダープレスで肩だけに効かせるコツ

肩に効かせるにはどうすれば良いの?
ダンベルショルダープレスで三角筋にしっかり効かせるためには、他の部位に負荷を逃がさず、肩でしっかり重さを受け止めることが重要です。
とはいえ、どのように意識すれば肩に刺激を集中できるのかわからない…という悩みもよくわかります。
ここでは、僕自身が意識しているダンベルショルダープレスで肩だけに効かせるためポイントやコツを解説していきます。

ベンチに深く座り背中を固定する
ダンベルショルダープレスで三角筋にしっかり効かせるためには、まず体の土台を安定させることが大前提。
そのためには、ベンチに深く腰掛けて背中とお尻をしっかりと密着させましょう。
体幹が固定されることで、動作中に反動を使ったりフォームが崩れるのを防ぎ、肩(特に三角筋)でダンベルの重さを正しく受け止めることができます。
このとき、ベンチの背もたれ角度は80〜85度が理想的です。
垂直(90度)に近すぎると上体が反りやすくなり腰に負担がかかる一方、背もたれが寝すぎていると動作の軌道が変わり、三角筋ではなく大胸筋(特に上部)への刺激が強くなってしまいます。
しっかり背中を固定できれば、低〜中重量でも三角筋に十分な刺激を与えることができ、ケガのリスクも抑えられます。

肩だけに負荷が乗ることで、軽めの重量でもしっかり効きますよ!
スタートポジションでは肘を体より少し前に出す
ダンベルショルダープレスで肩にしっかり効かせるためには、スタート時の肘の位置が非常に重要です。
多くの人が胸を張り肘を真横に広げがちですが、このポジションでは肩関節に無理な負担がかかりやすく、インピンジメント(肩の腱板を挟み込む状態)を引き起こす原因にもなります。
肩の構造的に自然で安全な動きにするためには、肘を体のラインよりやや前方に出すのがポイント。
こうすることで、三角筋前部〜中部をフルに使いながらスムーズに押し上げるフォームが作れます。
また、スタートポジションではダンベルを持った手の高さが耳の横あたりにくるようにセットすると、自然と正しい肘の位置がとりやすくなります。

真横ではなく、ちょっと前。
この“ちょっと”がケガ防止と効かせ方の分かれ道!
手ではなく肘でダンベルを上げるように意識
ダンベルショルダープレスでは、つい「ダンベルを持っている手」で押し上げようとしてしまいがちです。
しかし、それだと腕や前腕の力に頼ってしまいやすく、結果的に三角筋への刺激が弱くなってしまいます。
そこで意識したいのが、手ではなく肘でダンベルを押し上げる感覚です。
ダンベルはあくまで“手に乗っている重り”。
本来、負荷をかけるべきは三角筋であり、その動作の中心になるのが肘の動きです。
肘を真上に向かって押し上げるように意識することで自然と三角筋を主導筋とした動きになり、必要以上に関節を動かしすぎず肩へピンポイントで刺激を入れられるようになります。

肘で上げる意識がつかめてくると、肩への入り方が変わってきますよ!
まとめ「肩から負荷を抜かないフォームを身につけて確実に筋肥大を」
僕自身、過去にベンチプレスで右肩を痛めて以来、胸トレや肩トレを行う際には再発防止のため、とにかくフォームを意識するようになりました。
特に肩トレでは「いかに高重量を使わずに三角筋へ効かせるか?」という点を突き詰め、動作の角度や意識の向け方など細かいフォームの工夫を重ねることで低〜中重量でもしっかりとパンプ感を得られるようになり、実際に筋肥大も感じています。
そして、今回紹介したようなフォームのポイントに加えて重要だと感じているのが、三角筋はしっかり“追い込む”こと。
胸や脚、背中のような大きな筋肉と違い、三角筋は比較的小さい筋肉なので扱える重量が限られます。
その分、セット数やレップ数を増やすことで、焼けつくような疲労感とパンプを得ることができるんです。
- ダンベルショルダープレスが苦手でレイズ種目ばかりやっている
- 肩トレ自体に苦手意識がある
そんな方にこそ、今回ご紹介したフォームの工夫を試してもらえたら嬉しいです。
丁寧にフォームを整えながら追い込むことで、三角筋を安全に、かつ確実に成長させていきましょう!