
スクワットしたら膝とか腰が痛くなるんだよね。
脚トレの定番・スクワットは、自宅でもジムでも取り組めて下半身の筋肥大に欠かせない種目です。
その一方で「スクワットをすると膝が痛い…」と感じる人も多いのではないでしょうか?
僕自身もフォームを意識しているつもりでも膝が痛み、スクワットを避けていた時期がありましたが、原因をひとつずつ洗い出して修正することで膝を守りながら効果を出すコツが見えてきました。
この記事ではスクワットで膝が痛くなる主な原因を整理し、正しいフォームのポイント・フォーム以外でできるサポート方法、そして膝にやさしいおすすめ種目まで初心者の方にもわかりやすく解説します。
膝への鋭い痛み・腫れ・熱感がある場合やケガの既往がある方は、無理をせず医療機関での診断を優先してください。
- スクワットで膝が痛くなる主な原因
- スクワットで膝を痛めないためのポイント(全スクワット共通)
- スクワット中の膝リスクを減らすサポート方法
- 膝を痛めにくいおすすめスクワット種目
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スクワットで膝が痛くなる主な原因

スクワットで膝や腰が痛くなるのはなぜ?
スクワットは太もも・お尻・体幹まで鍛えられる万能トレーニングですが、膝に鋭い痛みや違和感が出る場合はフォームや体の使い方に問題がある可能性があります。
ここでは、スクワットで膝が痛くなる主な原因をわかりやすく解説していきます。

膝が内側に入る・つま先より前に出過ぎている
スクワットで膝を痛める代表的な原因が、膝の向きと位置の崩れです。
まず注意したいのが、膝が内側に入る「ニーイン」。
膝は本来、つま先と同じ方向にまっすぐ動くようにできています。
しかし、内側に倒したまましゃがむと内側側副靱帯や半月板に大きなストレスがかかり、炎症や損傷のリスクが高まります。
さらに、膝がつま先よりも大きく前に出すぎると、膝のお皿(膝蓋骨)や軟骨への圧力が増加。
膝蓋腱炎や軟骨摩耗など、慢性的な痛みの原因になりやすくなります。
このフォームの崩れでは、大腿四頭筋ばかりが使われ、膝関節周囲の靱帯や軟骨に負担が集中します。
結果として、筋力アップよりもケガのリスクが先に来てしまいます。

鏡や動画撮影で、膝とつま先が同じ方向を向いているか確認しよう!
しゃがむ深さが浅すぎる or 深すぎる
スクワットでは、しゃがむ深さ(可動域)が筋肉への刺激や膝・腰への負担を大きく左右します。
深さは大きく分けて次の5種類です。
- クォータースクワット:膝の曲げ角度が浅い
- ハーフスクワット:太ももがやや下向き
- パラレルスクワット:太ももが床と平行
- フルスクワット:太ももが床より下
- ATGスクワット(Ass To Grass):お尻がふくらはぎに付くほど深い
それぞれ鍛えられる部位や効果は異なりますが、膝痛予防の観点では「パラレルスクワット」を基準にするのがおすすめ。
柔軟性と筋力が十分な人も、フルスクワットまでに留めると安全です。
- 浅すぎる場合 → 大腿四頭筋ばかりに負荷が集中し、膝前面の圧力が増加
- 深すぎる場合 → フォームが崩れると靱帯や半月板に過剰な負担
つまり、自分の可動域に合った深さを守ることが、ケガを防ぎつつ効果的に鍛えるコツです。

下半身の筋肉を総動員するなら、パラレル or フルスクワットが◎
股関節や足首の硬さで動きが制限される
スクワットでは本来、股関節・膝関節・足首が連動して動くことで負荷が下半身全体に分散されます。
しかし、股関節や足首の柔軟性が不足しているとこの連動が崩れ、膝への局所的な負担が増えてしまいます。
股関節の硬さ
股関節が硬い場合、しゃがむ際に骨盤が後ろに引けず、膝を前方に押し出す動きが強くなります。
その結果、大腿四頭筋に負荷が集中し、膝のお皿まわりに過剰な圧力がかかります。
さらに、ハムストリングス(太ももの後ろ)やお尻の筋肉が硬いと骨盤の可動域が制限され、背中が丸まりやすくなります。
足首の硬さ(特に背屈方向)
足首の可動域が不足していると、膝を前に出さないとしゃがめないフォームになり、浅い角度で止まるか、無理に深くしゃがんでフォームが崩れます。
つまり、股関節・足首の柔軟性は膝への負担を軽減する重要なポイントです。

股関節・足首の硬さを改善する方法は次のセクションで解説します!
重心がブレて体の軸が安定しない
スクワットでは、バーや自重の負荷を安全に支えるために、体幹(腹筋・背筋・腰回りの深層筋)が“柱”のような役割を果たします。
しかし、体幹の筋力が不足していたり自分の筋力以上の重量を扱うと、支えが不安定になり重心が前後左右にブレやすくなります。
重心が安定しない状態では、膝への負荷が均等に分散されず、膝関節や靱帯など特定の部位に過剰なストレスがかかり、痛みやケガのリスクが高まります。
また、足裏の荷重バランスも重要です。
理想は「かかと・母趾球・小趾球」の3点で均等に支えること。
つま先寄りや外側寄りに偏ると膝がまっすぐ上下せず、ねじれや横ブレが生じやすくなります。
この膝のねじれは、靱帯や半月板に不自然な力を加え、さらなる痛みやケガの原因になります。

足の裏全体で重量を支えるイメージで!
クッション性の高い靴でスクワットをしている
クッション性の高いランニングシューズは長距離走や日常歩行の衝撃吸収には最適ですが、スクワットのような高重量を扱う種目では逆効果になります。
クッションが厚いと足元が沈み込み、そのわずかなブレが全身のフォームに影響します。
結果として、
- 足元が不安定になり、膝や腰が余計に動いてしまう
- 力が床に正確に伝わらず、パワー発揮が低下する
- 重心がブレやすく、膝関節に過剰なストレスがかかる
この不安定さは重量が重くなるほど大きくなり、膝や腰を痛めるリスクが急上昇します。
スクワットを安全かつ効果的に行うなら、底が硬いウェイトリフティングシューズやフラットソールのトレーニングシューズが圧倒的におすすめです。

高重量の筋トレでランニングシューズは絶対やめましょう!
ウォームアップ不足で膝に負担がかかる
スクワットのように複数の筋肉を連動させ、高重量を扱う種目では、ウォームアップは“必須”と言っても過言ではありません。
十分なウォームアップをせずにメインセットに入ると、関節や筋肉がまだ冷えて柔軟性が低い状態のまま急激な負荷がかかります。
このとき、膝では軟骨同士の摩擦や靱帯への瞬間的な牽引力が増大し、損傷リスクが跳ね上がります。

極端に言えば、寝起きで全力疾走するようなもの!
ウォームアップを行うことで、関節液(滑液)が分泌され、関節面に“潤滑油”が行き渡ります。
その結果、動きが滑らかになり衝撃吸収能力も高まります。
逆にウォームアップ不足では、筋肉が硬直して膝が本来の軌道から外れやすくなり、膝関節に過剰な負荷が集中してしまいます。

以下の記事でウォームアップ方法を解説しているので、一度読んでみてください!

ケガや古傷による膝の痛み
スクワットの負荷によって、過去に膝をケガした古傷が再び痛むことは少なくありません。
例えば、半月板損傷・靱帯損傷・膝蓋腱炎などは関節の安定性や機能を低下させ、通常より膝にかかるストレスを増やしてしまいます。
さらに、これらのケガは痛みだけでなく膝関節の可動制限や不安定さを引き起こすことが多く、無理にスクワットを続けると症状が悪化する恐れがあります。
そのため、過去に膝のケガがある場合は、専門医の診断を受けることが重要です。
必要に応じてリハビリやフォームの調整、あるいはトレーニング種目の見直しを行い、安全にスクワットを続けられる環境を整えましょう。

無理して続けてもデメリットの方が多いですよ!
スクワットで膝を痛めないためのポイント(全スクワット共通)

スクワットで膝を痛めないようにするには?
スクワットは下半身だけでなく体幹まで同時に鍛えられる非常に優秀なトレーニング種目です。
それだけに、「膝が痛くなるから…」と避けてしまうのは非常にもったいないこと。
正しい知識とちょっとした工夫があれば、膝を守りながら安全にスクワットを続けることができます。
ここでは、スクワットを行う上で膝を痛めないために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます。

フォームの基本チェックポイント
スクワットはバリエーションによって姿勢や動作の細部は変わりますが、膝を守りながら安全に効果を得るために押さえておきたい基本ポイントがあります。
膝とつま先の向きをそろえる
スクワットでしゃがむときは、膝とつま先の方向をそろえることが大前提です。
膝が内側に入る「ニーイン」や外に開きすぎる動きは、膝の関節や靱帯にねじれの力を加えケガの原因になります。
特にニーインは、次のような筋力や柔軟性の不足で起こりやすいです。
- 太ももの筋肉バランスの偏り
- お尻の横の筋肉(中臀筋)の弱さ
- 足首の柔軟性不足
対策として、しゃがむときに膝のお皿(膝蓋骨)がつま先の真上を通るよう意識しましょう。

膝の方向を直すだけでも、ケガ予防の効果はかなり大きいですよ!
背中は自然なS字カーブを保つ
スクワット中に背中が丸まると重心が前に流れやすくなり、膝に余計な負担がかかります。
正しいフォームでは、腹筋に力を入れて体幹を固め、背中の自然なS字カーブを維持します。
これにより上半身が安定し、膝がつま先の真上をスムーズに動くことができます。
さらに背中を正しく保つことで、膝だけでなく腰や股関節にもかかる負荷が分散され、トレーニング全体の安全性と効果が高まります。

背中を守るフォームは、膝を守るフォームでもあります!
足のかかと〜母指球まで均等に体重を乗せる
スクワット中、重心はかかと〜足の親指の付け根(母指球)にかけて均等にかかるのが理想です。
- 重心がつま先寄りに偏ると、膝に過剰な負担がかかる
- 重心がかかと寄りに偏ると、腰や背中に負担がかかる
足裏全体で体重を支えることで下半身全体の筋肉をバランスよく使え、フォームも安定します。

足裏全体で地面を踏みしめる感覚を意識!
動作はゆっくりコントロールする
スクワットの動作中は急がず、負荷をゆっくりコントロールするすることが非常に重要です。
急いでしゃがんだり立ち上がったりすると、筋肉ではなく膝や関節に余計な衝撃がかかり、痛みやケガのリスクが高まってしまいます。
一方で、ゆっくりと動くことで筋肉や靱帯をしっかり使いながら関節を安定させることができ、フォームの確認もしやすくなります。
そのため、扱う重量が増えた場合でも、安全に効果を最大限引き出すことが可能です。

特にしゃがむ動作は意識してゆっくりと!
スクワット中の膝リスクを減らすサポート方法

フォーム以外で膝の痛みを抑える方法はある?
スクワット中の膝トラブルは、フォームの見直しだけでも改善されることが多いですが、実はフォーム以外のサポートや環境づくりでも負担を大きく減らせます。
たとえば過去のケガや古傷が痛む場合には、ウォーミングアップや重量設定、サポーターや適切なシューズの活用が特に効果的です。
ここでは、フォーム以外で膝を守るための具体的な方法をご紹介します。

十分なウォームアップで柔軟性と可動域を改善する
スクワット前には、必ず十分なウォームアップを行いましょう。
特に気温が低い冬場などは、筋肉や関節が冷えたまま動作を始めると、膝周りの靱帯や軟骨に負担が集中しやすくなります。
おすすめは、まず5〜10分程度の軽い有酸素運動(ウォーキング・踏み台昇降・エアロバイクなど)で体温を上げ、その後に股関節・膝関節・足首の動的ストレッチを行うことです。
さらに、大腿四頭筋・ハムストリングス・ふくらはぎなどの柔軟性を高めることで、スクワット中の膝の動きがスムーズになり、関節への局所的な負担を減らせます。

冷えた膝はサビついたドアと同じ。動かす前に油を差しましょう!

適切な重量設定をする
スクワットでは、自分の筋力に合った重量でトレーニングすることが重要です。
初心者やフォーム改善中の方は、まず自重スクワットから始め、正しいフォームで数セットこなせるようになってから重量を増やすのがおすすめです。

8〜12回を3セットこなせるようになったら、少し重量を上げてみよう!
膝や腰に不安がある場合は、トレーニングチューブや軽めのダンベルで始め、少しずつ負荷を上げると安心です。
スクワットで膝を守る最大のポイントは、「持てる重さ」ではなく「正しく動かせる重さ」を選ぶことです。

僕は2つの強度のトレーニングチューブを使い分けています!おすすめ!
トレーニングチューブは強度のバリエーションが豊富で、僕は強度の一番低いチューブをウォーミングアップ用として長年愛用しています。
ケガをしてしまった時のリハビリにも役立ち、耐久性も高いので1本持っておくだけで非常に便利です。
さらに、強度の高いチューブはスクワットだけでなく、サイドレイズなどの上半身種目にも対応できるので、2種類を揃えておくとウォーミングアップからメインセットまで効率よくこなせます。
サポーターやギアを活用する
過去に膝を痛めた経験がある人や高重量を扱う上級者には、ニースリーブやニーラップ、スクワット用シューズなどの補助ギアが心強い味方になります。
- ニースリーブ:膝関節を保温し、動きを安定させる
- ニーラップ:高重量時の関節ブレを抑える強力な固定力を持つ
ただし、過度な固定は可動域を制限するため、日常的な軽負荷トレーニングでは基本的には必要ありません。

ギアはあくまで補助。
フォームと筋力があってこそ、効果を最大化できます!
- スクワット専用シューズ:足裏の安定性を高め、重心を取りやすくすることで膝や腰への負担を軽減
スクワット専用シューズは膝や腰のケガ予防だけでなく、高重量トレーニング時のフォーム保持にも役立つため、特に安全面を重視する方にはおすすめです。
スクワット用のシューズを選ぶ際のポイントは以下です。
- 硬めのソール:地面に力を伝えやすく、踏ん張りやすい
- ヒールの高さ:股関節や足首の可動性に合わせて5〜15mm程度のものが一般的
- フィット感:足首・甲まわりが安定し、靴の中で足が滑らない

スクワットだけでなく高重量種目全般で使えるので、1足あると便利です!
膝を痛めにくいおすすめスクワット種目

膝を痛めにくいスクワット種目はあるの?
スクワットは下半身を効率的に鍛えられる代表的なトレーニングですが、間違ったフォームや柔軟性不足のまま行うと、膝に余計な負担がかかってしまうこともあります。
ここでは、通常のスクワットで膝や関節に痛みが出やすい人でも取り入れやすく、フォームの改善にも役立つ2つのスクワット種目を厳選して紹介します。

柔軟性不足でも深くしゃがめる「ゴブレットスクワット」
股関節や足首の柔軟性が低いとスクワットで十分にしゃがめず、結果として膝に余計な負担がかかってしまいます。
そんな方におすすめなのが、ゴブレットスクワットです。
ゴブレットスクワットはダンベルやケトルベルを胸の前で持つことで自然と背筋が伸び、かつ体幹が安定しやすくなる、初心者でもフォームを保ちやすいのが特徴です。
この姿勢は股関節や足首の硬さをカバーしながら無理なく深くしゃがむ動きをサポートします。
さらに、重量を前に持つことで重心が安定しやすく、足裏全体で負荷を支える感覚も身につきやすいメリットもあります。
また、股関節の可動域を広げる効果も期待できるため、通常のスクワットのフォーム改善にも有効です。

ゴブレットスクワットの詳しいやり方は、以下のリンクでチェックしてみてください!

フォームを安定させて安全にできる「ボックススクワット」
スクワットでフォームが不安定なまま深くしゃがもうとすると、膝や腰に余計な負担がかかり、正しい動作を習得しにくくなります。
そんなときにおすすめなのが、フォーム矯正にも効果的なボックススクワットです。
ボックススクワットは、椅子やベンチなどにお尻を軽くタッチする位置までしゃがむスクワット。
座面が動作の目安になるため深さを一定に保ちやすく、しゃがみすぎやバランス崩れを予防できます。
また、可動域を自分に合わせて調整できるため、リハビリ中の方やスクワット初心者でも安全に取り入れやすいのが魅力です。

お尻を下ろすときはドスンと座らず、ゆっくりコントロールしよう!
まとめ「膝が痛いときはフォーム改善から始めよう」
僕自身、スクワットのフォームには気をつけていたつもりでしたが、重量を増やしていくにつれて膝に痛みや違和感が出始め、筋トレ自体は続けていたもののスクワットは避ける時期がありました。
しかし自宅トレーニングが中心の僕にとって、スクワットは足腰だけでなく体幹や姿勢の安定性まで鍛えられる非常に効率の高い種目です。
「これをやらないのは本当に勿体ない。」
そう思い重量設定を見直し、フォームを徹底的に改善したところ、膝の痛みは大幅に軽減し、再びスクワットを楽しめるようになりました。
トレーニングに限らず、ケガは一瞬で起こりますが、治すには何倍もの時間がかかります。
場合によっては数週間から数か月トレーニングを中断せざるを得ず、日常生活にまで支障をきたすこともあります。
特に高重量を扱う種目ではケガをしてからでは遅いので、ぜひ今のうちにフォームを見直しておきましょう。
さらに、普段から脚トレを避けがちな方、有酸素運動をしていない方、デスクワークで1日の歩数が少ない方にとって、スクワットは筋力だけでなく血流改善や基礎代謝向上、姿勢改善にも役立つ“健康投資”です。
安全なフォームを身につけて、長く続けられるスクワット習慣を作っていきましょう。