
スクワットしたら腰が張るというか、鈍痛があるんだよね。
脚トレの定番・スクワットは、自宅でもジムでも取り組めて下半身の筋肥大に欠かせない種目です。
その一方で「スクワットをすると腰が張る・鈍い痛みがある…」と感じる人も多いのではないでしょうか?
僕自身も重量を増やすにつれ腰に違和感が出て、スクワットを避けていた時期がありましたが、原因をひとつずつ洗い出して修正することで腰の負担を減らしながら効果を出すコツが見えてきました。
この記事ではスクワットで腰が張る・痛くなる主な原因を整理し、正しいフォームのポイント・フォーム以外でできるサポート方法を初心者の方にもわかりやすく解説します。
腰への鈍痛や慢性的な違和感・足にしびれがある場合やケガの既往がある方は、無理をせず医療機関での診断を優先してください。

スクワットで膝が痛くなる方は以下の記事もチェックしてみてください!

- スクワットで腰が張る・痛くなる主な原因
- スクワットで腰を痛めないためのポイント(全スクワット共通)
- スクワット中の腰への負担を減らすサポート方法
- 腰に優しいおすすめスクワット種目
この記事を書いている人

スクワットで腰が張る・痛くなる主な原因

スクワットで腰が痛くなるのはなぜ?
スクワットは太もも・お尻・体幹まで鍛えられる万能トレーニングですが、腰の痛みや違和感が出る場合はフォームや体の使い方に問題がある可能性があります。
ここでは、スクワットで腰が痛くなる主な原因をわかりやすく解説していきます。

背中が反りすぎている
スクワットで腰が張る・痛くなる原因として多いのが背中の反りすぎ、いわゆる「反り腰」です。
僕自身も経験がありますが、胸を張ろうと意識するあまり腰まで後ろに反ってしまっている人は意外と多いです。
腰が反りすぎると脊柱起立筋や腰椎に過度なストレスがかかり、慢性的な腰の張りや痛みの原因になります。

扱える重量が頭打ちになってしまう場合も!
さらに、反り腰状態のフォームではお尻やハムストリングよりも背中や腰に力が入りやすく、下半身の筋力アップ効果は半減してしまいます。
スクワット中は無理に上半身を真っすぐにしようとせず、腰は自然なカーブを保つことが理想です。

腰が反りすぎていないか鏡や動画でチェックしてみよう!
腹圧が不足して体幹が安定しない
腰は反っていないのに、スクワット中や終了後に腰に違和感を感じるケースとして意外に多いのが、腹圧不足による体幹の不安定さです。
腹圧とは、腹筋や横隔膜、お腹まわりの筋肉を使って体幹をしっかり支える力のこと。
この腹圧が弱いと腰椎や腰まわりの筋肉に過剰な負荷がかかり、慢性的な張りや痛みの原因になります。
さらに、体幹が安定しないとスクワット中のバランスが崩れ、フォームが乱れやすくなります。
そのためスクワットで下半身の筋肉をフル活用するには、実は腹圧をかけて体幹を安定させる上半身への意識も非常に重要です。

ポイントは呼吸と腹圧のコントロール!
しゃがむ前に息を吸い、お腹に力を入れて腰の自然なカーブを保ちながら動作することで、腰への負担を大幅に減らせます。

お腹に力を入れて上半身をしっかり安定させよう!
股関節やハムストリングの硬さで動きが制限される
スクワット中に腰の張りや違和感を感じる原因として、股関節やハムストリングス(太ももの後ろ)の柔軟性不足も多く見られます。
股関節やハムストリングが硬いと、深くしゃがむ動作で腰が代償的に反ったり前傾姿勢が強くなったりして、腰に過剰な負担がかかります。

その結果、腰の張りや痛みにつながることも!
柔軟性が不足したまま高重量でスクワットを行うと、腰だけでなく膝や股関節にもストレスが集中しやすくなりケガのリスクも高まります。
対策としては、スクワット前にストレッチやウォームアップを十分に行い、股関節とハムストリングの可動域を広げることが効果的です。
また、フォームを意識して無理のない深さでしゃがむことも重要です。

股関節とハムストリングを柔らかくして、腰への負担を減らそう!
重量設定が適切でない(オーバーワーク)
スクワット中~後に腰の張りや痛みを感じるもうひとつの原因が重量設定の誤り、いわゆるオーバーワークです。
扱う重量が自分の筋力に合っていないと、フォームが安定せず腰や体幹に過剰な負荷がかかります。
特に、高重量で無理にしゃがもうとすると負荷をうまくコントロールできず、腰が反ったり膝に負担がかかりやすくなるリスクが一気に高まるので要注意。
対策としては、自分の筋力や柔軟性に合った重量を選び、フォームが崩れない範囲で段階的に負荷を増やすことが重要です。
無理に重いバーベルを扱うよりも、安定したフォームで丁寧に動作する方が、腰への負担は格段に減らせます。

正しいフォームは大前提!少しずつ重量を増やしていきましょう!
ウォームアップ不足で腰まわりが固まっている
スクワット前のウォームアップが不足していると、腰まわりの筋肉や関節が固まった状態で動作することになり腰に張りや違和感を感じやすくなります。
特に、腰を支える脊柱起立筋や体幹の安定性が不十分な状態で重量を扱うと、腰への負担が大きくなり痛みや張りの原因につながります。
対策としては、スクワットを行う前に軽い有酸素運動で体温を上げたり、腰まわり・股関節・ハムストリングを中心にストレッチや自重でのウォームアップを行うことが効果的です。
筋肉を温め、関節の可動域を広げることで腰への負担を減らしていきましょう。

以下の記事でウォームアップについて解説していますので、一度読んでみてください!

ケガや既往歴による腰痛
スクワットの負荷によって過去に腰をケガした古傷が再び痛むことも少なくありません。
例えば、椎間板ヘルニア・腰椎分離症・ぎっくり腰の既往などは腰椎や周辺筋肉の安定性を低下させ、通常より腰にかかるストレスを増やしてしまいます。

僕も毎年のようにぎっくり腰やりがちです・・・。
さらに、これらのケガは痛みだけでなく体幹の安定性低下や可動域の制限を引き起こすことが多く、無理にスクワットを続けると症状が悪化する恐れがあります。
そのため、必要に応じてリハビリやフォームの調整、トレーニング種目の見直しを行い、安全にスクワットを続けられる環境を整えましょう。

無理して続けてもデメリットの方が多いですよ!
スクワットで腰を痛めないためのポイント(全スクワット共通)

スクワットで腰を痛めないようにするには?
スクワットは下半身だけでなく体幹まで同時に鍛えられる非常に優秀なトレーニング種目です。
それだけに、「腰が張って痛くなるから…」と避けてしまうのは非常にもったいないこと。
正しい知識とちょっとした工夫があれば、腰を守りながら安全にスクワットを続けることができます。
ここでは、スクワットを行う上で腰を痛めないために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます。

フォームの基本チェックポイント
スクワットは種目やスタイルによってフォームの細部は変わりますが、腰を守りながら安全にトレーニング効果を得るために押さえておきたい基本のポイントがあります。
体幹を固定して背中は自然なS字カーブを保つ
スクワット中の腰の安定性は、体幹の固定と背骨の自然なカーブによって大きく左右されます。
正しいフォームでは、腹筋と背筋をバランスよく働かせて体幹を固定し、背中のS字カーブ(生理的湾曲)を自然に維持します。
これは単に「背筋を伸ばす」イメージではなく、お腹に軽く力を入れてお腹周りを円筒状に固める(腹圧を高める) ことで実現できます。
また、目線はやや前方の床または正面を見るのがおすすめです。
目線が下に行くと背中が丸まりやすく、逆に上過ぎると無意識に腰が反りやすくなります。

上半身が安定しない場合は目線も意識してみてください!
しゃがむ深さは「パラレル」か「フル」がオススメ
腰を守りながら効果的にスクワットを行うには、しゃがむ深さと動作の仕方がとても重要です。
まず意識したいのは、膝だけでしゃがむのではなく膝と股関節を一緒に曲げながらお尻を後ろへ突き出す動き。
この動作によって股関節がしっかり働き、腰や膝に負担が集中するのを防げます。
しゃがむ深さは、以下の2パターンが理想的です。
- パラレルスクワット:太ももが床と平行
- フルスクワット:股関節が膝より下にくる位置
浅めのスクワット(ハーフやクォーター)は特定の部位を狙ったりリハビリ目的で行うには有効ですが、腰への負担を分散しながら下半身を総合的に鍛えるには、パラレルやフルで深くしゃがむ方が効果的です。

腰への負担軽減+筋肥大効果の両立!
足のかかと〜母指球まで均等に体重を乗せる
スクワット中、重心はかかと〜足の親指の付け根(母指球)にかけて均等にかかるのが理想です。
- 重心がつま先寄りに偏ると、腰が丸まりやすくなり腰椎や椎間板にストレス
- 重心がかかと寄りに偏ると、背中・腰が反りやすい
足裏全体で体重を支えることで下半身全体の筋肉をバランスよく使え、フォームも安定します。

足裏全体で地面を踏みしめる感覚を意識!
動作はゆっくり丁寧にコントロール
スクワットの動作中は急がず、負荷をゆっくりコントロールするすることが非常に重要です。
動きを速くすると、筋肉よりも関節や腰に衝撃が直接伝わりやすくなります。
特にしゃがむ動作は重力の影響で勢いがつきやすく、腰椎や椎間板に過剰なストレスがかかる原因となります。
一方、ゆっくりとした動作を意識すると、
- 筋肉と体幹でしっかりブレーキをかけられる
- 腰や関節に伝わる衝撃を吸収・分散できる
- フォームを確認しながら動作できる
といったメリットが得られます。
特に重量が増えるほど「ゆっくり丁寧に」が安全性と効果を両立するカギとなります。

しゃがむ動作はあえてブレーキをかける意識を!
スクワット中の腰リスクを減らすサポート方法

フォーム以外で腰の痛みを抑える方法はある?
スクワットにおける腰トラブルはフォームの見直しだけでも改善されることが多いですが、実はフォーム以外のサポートや環境づくりでも負担を大きく減らせます。
たとえば過去のケガや古傷が痛む場合には、ウォーミングアップや重量設定、サポーターや適切なシューズの活用が特に効果的です。
ここでは、フォーム以外で腰への負担を減らすための方法をご紹介します。

十分なウォームアップで柔軟性と可動域を改善する
スクワット前には、必ず十分なウォームアップを行いましょう。
筋肉や関節が温まっていない状態では柔軟性が低く可動域も制限されやすいため、動作中に無理なフォームになりやすく、腰椎や椎間板に過剰な負担が集中します。
おすすめは、まず 5〜10分程度の軽い有酸素運動(ウォーキング・踏み台昇降・エアロバイクなど)で体温を上げ、その後に股関節・ハムストリング・膝関節・足首の動的ストレッチを行うことです。
特に股関節は、
- 上半身の前傾角度
- 腰の反り具合(腰椎への負担)
- 膝の動きとの連動性
に直結するため、重点的にケアしておくと効果的です。
また、レッグスイング・ヒップサークルなどの動的ストレッチを取り入れることで、実際のスクワットに近い動きをしながら可動域を広げられるため、腰への負担をさらに軽減できます。

「体を温める→可動域を広げる→徐々に負荷をかける」
この流れを意識しましょう!

適切な重量設定をする
スクワットを正しいフォームで行うには、自身の筋力や柔軟性に合った適切な重量設定が欠かせません。
自分の筋力を超えた重量を扱うと、
- 深くしゃがもうとした際に腰が反る
- バランスを崩して前傾が強くなる
など、腰への過剰な負担やフォームの崩れが起こりやすくなります。
腰のトラブルを防ぐために重要なのは、フォームを維持できる範囲の重量からスタートすること。
まずは自重や軽めのバーベル・ダンベルで練習し、フォームが安定してきたら少しずつ重量を増やしましょう。
また、限界が来る重量を意味する RM(Repetition Maximum)を目安にするのも効果的です。
8〜12回を正しいフォームで行える重量を選ぶことで、腰への負担を最小限に抑えつつ、筋力アップも狙えます。

スクワットは「正しいフォーム × 適切な重量」で初めて効果を発揮します!
チューブや軽めのダンベルでフォームを矯正・ウォームアップ
スクワットに慣れていない初心者の方やフォーム改善中の方は、まず自重~トレーニングチューブや軽めのダンベル でスクワットの動作を確認するのがおすすめです。
スクワットで最も大切なのは「持てる重さ」ではなく 「正しく動かせる重さ」 を選ぶこと。
正しいフォームで動かすことが、腰や膝への負担を最小限にし、効果的に筋力を鍛えるポイントです。

僕は2つの強度のトレーニングチューブを使い分けています!おすすめ!
トレーニングチューブは強度のバリエーションが豊富で、僕は強度の一番低いチューブをウォーミングアップ用として長年愛用しています。
ケガをしてしまった時のリハビリにも役立ち、耐久性も高いので1本持っておくだけで非常に便利です。
さらに、強度の高いチューブはスクワットだけでなく、サイドレイズなどの上半身種目にも対応できるので、2種類を揃えておくとウォーミングアップからメインセットまで効率よくこなせます。
腰を痛めにくいおすすめスクワット種目

腰を痛めにくいスクワット種目はあるの?
スクワットは下半身を効率的に鍛えられる代表的なトレーニングですが、間違ったフォームや柔軟性不足のまま行うと、膝に余計な負担がかかってしまうこともあります。
ここでは、通常のスクワットで背中や腰に痛みが出やすい人でも取り入れやすく、フォームの改善にも役立つ2つのスクワット種目を厳選して紹介します。

柔軟性不足でも腰に優しく深くしゃがめる「ゴブレットスクワット」
腰が反ったり前傾が強くなる原因のひとつが、股関節や足首の柔軟性不足です。
そんな方におすすめなのが、ゴブレットスクワットです。
ダンベルやケトルベルを胸の前で持つことで、自然と背筋が伸び体幹が安定しやすくなり、腰が反るのを防ぎながら安全にしゃがめるため、腰への負担を軽減しつつ下半身全体を鍛えることができます。
さらに、重量を前に持つことで重心が安定し足裏全体で体重を支える感覚も習得しやすいメリットがあり、股関節の可動域改善にも役立ちます。
また、股関節の可動域を広げる効果も期待できるため、通常のスクワットのフォーム矯正にも有効です。

ゴブレットスクワットの詳しいやり方は、以下のリンクでチェックしてみてください!

フォームを安定させて腰を守る「ボックススクワット」
スクワットで腰が不安定なまま深くしゃがむと、腰椎や腰周りの筋肉に過剰な負担がかかります。
そんなときにおすすめなのが、ボックススクワットです。
ボックススクワットは、椅子やベンチなどにお尻を軽くタッチする位置までしゃがむスクワット。
座面が動作の目安になるため深さを一定に保ちやすく、しゃがみすぎやバランス崩れを予防できます。
また、可動域を自分に合わせて調整できるため、リハビリ中の方やスクワット初心者でも安全に取り入れやすいのが魅力です。

お尻を下ろすときはドスンと座らず、ゆっくりコントロールしよう!
まとめ「スクワットで腰が張るときはフォームの見直しから始めよう」
僕自身、元々は「胸を張る=背中を反らす」っていうクセがあり、その影響でスクワットだけじゃなくデッドリフトやベントオーバーロウなどの種目でも、狙った筋肉に効かせづらいし、腰を痛めてしまうこともありました。
そこで意識が変わったのが「腹圧をかける」ということ。
上半身を固める意識を持つことにより「そもそもフォームが間違ってたんだ」と、自分のフォームが反り腰になっていたことに気づいたんです。
僕と同じように、無意識で間違ったフォームを続けてしまっている人って意外と多いんじゃないかと思います。
特に、腰に違和感を感じながらもスクワットを続けてしまっている人には、ぜひこの記事を読んでもらえたら嬉しいなと思っています。
トレーニングに限らず、ケガは一瞬で起こりますが、治すには何倍もの時間がかかります。
場合によっては数週間から数か月トレーニングを中断せざるを得ず、日常生活にまで支障をきたすこともあります。
特に高重量を扱う種目ではケガをしてからでは遅いので、ぜひ今のうちにフォームを見直しておきましょう。
さらに、普段から脚トレを避けがちな方、有酸素運動をしていない方、デスクワークで1日の歩数が少ない方にとって、スクワットは筋力だけでなく血流改善や基礎代謝向上、姿勢改善にも役立つ“健康投資”です。
安全なフォームを身につけて、長く続けられるスクワット習慣を作っていきましょう。