懸垂やってみたけど1回もできなかった…
懸垂は、背中を中心に腕や肩など上半身の筋肉を効果的に鍛えることができる種目です。
しかし、実際にやってみるとその難しさに驚いた人も多いのではないでしょうか?
ここでは、1回も懸垂ができなかった筆者が背中に効く懸垂を10回以上できるまでに実践した練習方法を紹介します。この方法を通じて、懸垂ができない人でも徐々に力をつけ、目標を達成できるようになるはずです。
- 懸垂は1回できるまでが一番大変
- 1回もできない人は腕だけで上げがち
- 懸垂のコツを掴む練習方法
- 広背筋に効かせる懸垂フォーム
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懸垂(チンニング)ができない理由
腕の力には自信があるけど懸垂できないよ。
懸垂は背中や腕・肩など上半身の多くの筋肉を連動して行うため、非常に効果的なトレーニング種目です。
しかし、その分難易度が高いことも事実です。
ここでは僕の経験をもとに、懸垂ができない理由を3つにまとめて紹介します。
ぶら下がった状態に慣れていない
懸垂をしている間は終始ぶら下がっている状態になるため、まずこのぶら下がった状態に慣れる必要があります。
まだ棒にぶら下がったことのない人は一度体験してみてください。
意外に感じるかもしれませんが、単にぶら下がるだけでも相当な負荷がかかります。
子供の頃は余裕だったことも、大人になるとその感覚を失ってしまうことが意外とありますよね。
ぶら下がる練習をすることで懸垂に必要な筋力や握力、さらに懸垂時における体の安定感も向上が望めるため、懸垂の準備段階として定期的にぶらさがる練習を行うことをオススメします。
最初は短時間で構いませんが、徐々に長くぶら下がることができるようになれば懸垂に必要な基礎が確実に身についていきます。
腕だけしか使えていない
懸垂ができない人の多くは「懸垂は腕だけで体を引き上げる運動」と思いがちですが、実はそうではありません。
懸垂は、腕だけでなく背中の広背筋や肩、腹筋など上半身全体の筋肉を使って体を持ち上げるトレーニングであり、腕の力だけで体を引き上げようとすると、たとえ腕力に自信があったとしてもすぐに疲れてしまい回数を重ねることが難しくなります。
複数の筋肉が鍛えられる=腕以外も意識して使うということ!
懸垂に限らず複数の筋肉を連動させて行う筋トレ種目では、どのポジション・動作でどの筋肉に負荷がかかるかを把握することが非常に重要です。
筋力・握力が足りない
懸垂を行うためには、少なくとも自分の体重を持ち上げる筋力・負荷に耐え続けられる握力が必要です。
言い換えれば、体重が軽い人ほど、必要とされる筋力も少なくて済むということでもあり、体が細いからと言って懸垂ができないとは限りません。
むしろ痩せてる人の方が懸垂の回数は伸びやすいです!
懸垂を行う際、握力が十分でないと懸垂そのものが難しく感じられることがあります。
特に、回数を重ねると背中や腕の筋力よりも先に握力が尽きてしまうことも珍しくありません。
そこで、握力を補助するためにパワーグリップを活用するのもオススメです。
パワーグリップは手首に巻くストラップで、バーを握るときのサポート役として機能します。
これを使うことで握力の不足による懸垂の中断を防ぎ、背中や腕の筋肉に集中してトレーニングを行うことができます。
懸垂(チンニング)ができるまでの練習方法
本当に何回もできるようになるのかな?
僕の経験では、懸垂は最初に1回できるようになるまでの間が一番時間がかかり大変だと感じました。
しかし、1回できるようになってからは2回~3回、5回~6回と回数がどんどん増えて行き、今ではとても楽しい筋トレ種目だと感じています。
最初の壁を乗り越えればその後はスムーズ!
そこで、懸垂の1回目を達成するための練習方法と、さらなる成長に向けたアプローチを紹介します。
ぶら下がり
懸垂を行うための準備として、まずは「ぶら下がり」から始めることをお勧めします。
このステップでは、体を引き上げる前にぶら下がった状態に慣れることが目的です。
ぶら下がりの基本
- 肩幅より少し広めの位置で、順手のグリップ(手のひらを前向きにして握る)で棒にぶら下がる。
- 足を揃えて体が揺れないように意識し静止する。
ぶら下がりのトレーニング効果
ぶら下がるだけのシンプルな動作ですが、これには多くのトレーニング効果があります。
握力の強化が期待できるほか、背中の広背筋を伸ばしながら使う感覚を掴むこともでき、ぶら下がることで肩や腰のストレッチ効果も期待でき、肩こりや腰痛の緩和にも効果があります。
ぶら下がりを行う際のヒント
ぶら下がりの際は、肩の力を抜き肩甲骨を少し引き寄せるようにしてみてください。
これにより、広背筋を効果的に使えるようになります。
また、息を止めず深呼吸を意識して行うことで体の緊張を和らげ、より長くぶら下がることができるようになります。
斜め懸垂(インバーテッドロウ)
斜め懸垂(インバーテッドロウ)は懸垂の前段階として、上半身の筋肉を鍛える優れたトレーニング方法です。
この種目では、仰向けの状態から上半身を引き上げる動作を行います。
通常の懸垂に比べて負荷が軽く、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
斜め懸垂の基本フォーム
- 仰向けに体を傾けるためバーを肩幅より少し広めの位置で握る。
- 肩甲骨を寄せ、胸を張りながら肘を後方へ引いて上半身を引き上げる。
- その場で1秒停止した後にゆっくり元の位置へ戻る。
動作中のポイント
斜め懸垂では、以下の点に特に注意しましょう。
- 姿勢を真っすぐに保つ
- 動作中、頭から足までを一直線にし、体が反ったり腰が落ちたりしないように注意します。
- 肩甲骨をしっかり寄せる
- 胸を張って肩甲骨を寄せることで、広背筋を効果的に使うことができます。肩がすくまないように気をつけましょう。
- 可動域を意識する
- 胸を開ききる位置まで引き上げることで、肩甲骨と広背筋の使い方をより効果的に身につけられます。
斜め懸垂の効果
斜め懸垂を行うことで肩甲骨・広背筋の使い方が身につき、腕の力だけに頼らない懸垂ができるようになります。
一見すると簡単そうに見えますが、実際にやってみると非常にハードです。
最初は回数を少なめに設定し、徐々に回数を増やしていくと良いでしょう。斜め懸垂を繰り返すことで、懸垂の基礎をしっかりと築くことができ最終的には通常の懸垂に繋がるトレーニングとなります。
ぜひ、斜め懸垂を取り入れて懸垂のステップアップを図ってください。
ネガティブ懸垂
ネガティブ懸垂は、懸垂の習得に向けた非常に効果的なトレーニング方法です。
この種目は上から下に戻る動作に焦点を当てることで筋肉の使い方や体の安定感を身に付けることができ、懸垂に必要な筋力を鍛えつつ正しいフォームを学ぶのに最適です。
ネガティブ懸垂の基本フォーム
- 肩幅より少し広めの位置で順手(手のひらが前向き)で棒を握る。
- 地面を蹴ってジャンプし、上半身を棒へ引きつける。
- その場で1秒ほど停止し、その後ゆっくりと体を元の位置へ戻る。
動作中のポイント
ネガティブ懸垂では、以下の点に注意しましょう。
- 肩をすくめない
- ジャンプして上がるときに肩をすくめず、胸をしっかりと張るように意識します。
- 広背筋を意識
- ゆっくりと下がる過程で広背筋への負荷を感じながら、コントロールして体を下ろすように心がけます。
ネガティブ懸垂の効果
このトレーニングは懸垂ができるようになってからも広背筋を追い込むのに有効で、懸垂の回数を増やしたいときや筋力をさらに強化したいときにも役立ちます。
流れとしてはこんな感じ!
①ぶら下がりで握力・安定感を強化
②斜め懸垂で広背筋の使い方を習得
③ネガティブ懸垂で広背筋を鍛える
背中に効かせる懸垂(チンニング)フォーム
練習しつづければ懸垂できるようになる?
前項で紹介した練習を継続することで、少なくとも1回は懸垂ができるようになっているはずです。おめでとうございます!
ここからは懸垂を1回以上できるようになった方を対象に背中の筋肉に効果的に働きかけるための懸垂フォームを紹介します。
正しいフォームを意識することで、より効率的に筋肉を鍛えることができます。
懸垂の基本フォーム
- 肩幅より少し広めの位置で、順手(手のひらが前向き)で棒にぶら下がる。
- 肩甲骨を寄せて胸を張り、肘を腰の方向へ引くように体を引き上げる。
- 上まで引き上げたら、1秒ほど停止してからゆっくりと元の位置へ戻る。
動作中に意識するポイント
懸垂を行う際、次の点を意識してみてください。
- 垂直に動く
- 懸垂の動作中は体を垂直に保ち、無駄に揺れたり反ったりしないように意識しましょう。体が安定することで背中の筋肉を効果的に使えます。
- 可動域をフルに活用する
- 浅い動作ではなく可動域をフルに使って体を引き上げましょう。肩甲骨をしっかり寄せて、背中の筋肉が収縮するのを感じながら行います。
- 手幅の調整
- 手幅が広すぎると可動域が狭まり、逆に狭すぎると背中に効きにくくなります。肩幅より少し広めがベストですが、自分の体格に合わせて調整してください。
- グリップの選択
- 基本的には順手がオススメですが、背中に効きやすいと感じるなら逆手(手のひらが自分側)のグリップでも構いません。自分に合ったグリップを選びましょう。
懸垂の効果を最大化するために
正しいフォームを身に付け上記のポイントを意識すれば懸垂の効果は飛躍的に向上します。
そしてトレーニングを継続していくことで、さらなる回数の向上や筋力の増強が期待できます。
まとめ「1回できるまでが一番大変で、その後は自然に回数伸びていく」
「懸垂すれば上半身が一気に鍛えられる。綺麗な筋肉の付き方になる」
そんな話を聞いて、僕も筋トレを始めて間もない頃、期待に胸を膨らませながら懸垂台(チンニングバー)を購入しました。
しかし、実際にやってみると1回も上がらないどころかぶら下がり続けることすら難しいと感じ、正直懸垂台の購入を後悔したのを覚えています。
運動神経の良い人ならすぐに懸垂できるようになるのかもしれませんが、僕のように運動神経に自信がない人にとってはかなりのハードルでした。
それでも、諦めずに前述の練習方法を続けてみてください。
僕自身、逆上がりもできず登り棒も登れないような運動音痴でしたが、地道に練習を続けた結果、今では荷重懸垂を楽しむレベルまで上達しました。
懸垂が1回もできないと、もしかしたら「自分には向いていない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、地道に練習を積み重ねることで必ず懸垂できるようになります。
焦らず、少しずつステップアップしていけば大丈夫です。
まずは、ぶら下がること、斜め懸垂、ネガティブ懸垂などの基本を押さえてから、1回の懸垂を目指してみてください。
懸垂ができるようになったら、その達成感は格別です。
そして、その後の成長は想像以上に早く楽しさも倍増します。
だから、ぜひ自分を信じて続けてください。絶対大丈夫です!